まずはじめに興信所とはなんなのか?
興信所というのは「信用」を「興す」という日本語が由来と云われています。その歴史は明治時代にさかのぼり、現在のような商取引を始める前に相手方の信用状態を調べる会社が立ち上げられました。基本的には会社、法人を相手にする職業だったわけです。
商業興信所として銀行の出資で設立されたもので、明治33年に帝国興信所が設立されました。その後、経済の発展と共にさまざまな興信所が各地に出来ていきました。
本来は法人、会社を相手にしていきましたが専門性を持たせた興信所が現れます。専門性とは人事調査、零細企業調査などの分野です。
調査する、という点で昔から個人的な事柄の調査もあったと思います。今でも大手信用調査機関に浮気調査の問い合わせはあると思いますが、どこかに振っているか、断られるでしょう。
自分の勝手な考えですが、そうした個人的な調査の問い合わせが増えたということで、現在のような探偵事務所や興信所が増えていったのだと思います。
基本的に興信所というのは企業間の取引、現代的に表現するとBtoBなんですね。それが大手信用調査機関という会社になります。インターネットで会員登録すると、有料で会社の情報が取得できるサイトがありますよね?そういう情報を提供しているのが大手信用調査機関で、個人の浮気調査は扱っていません。
BtoCは興信所と個人間の取引という事になります。検索すると沢山の広告が出てきます。その殆どの興信所がBtoCの興信所です。
10年前に「探偵業の業務の適正化に関する法律」ができて、個人を相手にする興信所は公安委員会に届出を行わないと営業できなくなりました。企業しか調査しない興信所は適用外なので届出は必要ありません。
個人的に浮気調査、家出人捜索、結婚に関する調査は「届出」しているかどうか?が興信所選びのポイントになると思います。
平成30年現在は大手信用調査機関は「興信所」とは名乗っていません。現代の興信所は会社のことも個人のことも両方扱う会社となっていて明治期よりの業態としては変化しているのです。